梶光夫ジュエリーの世界

ジュエリー作家である梶光夫氏の世界を堪能できる一冊です。 彼はジュエリーアーティストであると同時に、アンティークジュエリーの蒐集家でもあります。 本には彼が手掛けたジュエリーだけでなく、長年かけて集めたアンティークジュエリーのコレクションも掲載されています。 日常の煩わしさを忘れて、非日常のジュエリーワールドにしばし浸ってみるのはいかがでしょう?

前半はジュエリー作家として活動するまでの足跡や、アンティークジュエリーのことが書かれています。 彼が創るジュエリーのテーマである「アンティーク&モダン」の原点がここにあります。 ジュエリー作家としての梶光夫しか知らない私にとっては、少し得した気分になりました。 (梶氏は、ジュエリーデザイナーになる前の若い頃に芸能界でデビューしていたんですね。 当時リリースしたレコードのジャケット写真が載っています。梶光夫が本名じゃないことも知らなかったし。)

ジュエリーの完成度が高いのはもちろんのこと、ジュエリーのゴージャスさが際立って見えるように、 写真の撮り方や配置の仕方が凝っているので、ジュエリーが本当に綺麗に見えます。 ジュエリーに対してだけでなく、モノ造り自体に妥協を許さない姿勢がヒシヒシと伝わってきます。 さすが、梶氏がこだわり抜いて作り上げた本だけのことはあります。

彼が創るジュエリーのうち、名作映画や世界遺産を題材にしたジュエリーが特に印象深いです。 中でも、ジュエリー作家としての全てを注ぎ込んで創ったモンサンミシェルのジュエリーオブジェは圧巻です。 ジュエリーを装身具として考えた場合、このオブジェはジュエリーの範疇に入るのかという疑問が出そうですが…。 まあ、そんな疑問も吹っ飛んでしまうくらいのインパクトがあることは確かです。 貴金属や様々な宝石を使って、それぞれの世界観や特徴を見事に表現しています。

巻末のジュエリーインデックスを見れば、掲載されている各ジュエリーに使用した素材と宝石が一目で分かるようになっています。 アンティークのインテリアなどで統一された彼のジュエリーサロンの写真も載っています。

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