宝飾クラフト技法:錺(かざり)のジュエリーテクニック

ジュエリー作りの基本的な流れを知っていて、いくつかのジュエリーを作ったことがあるという経験者なら、 無理なく入っていける内容の本だと思います。ジュエリー製作の基礎をしっかり固めておきたい人や、 ジュエリーを作り始めたばかりで技量に不安がある人、ジュエリーの作成を続けてはいるが、 技術的な面で行き詰まりや壁のようなものを感じている人などを主な対象としているようです。 この本に書いてあることを本気でマスターすれば、かなり手の込んだジュエリーも作れるような気がします。

ジュエリーの作り方というのは人によって様々ですし、製作するジュエリーの種類によっても違ってきます。 ジュエリー作りの中で出会う色々な場面に対応できるように、多くの項目で2〜3通りの作り方を示してくれています。 ジュエリーの制作を始めたばかりのビギナーは、その中から自分に合った方法を採用すればいいですし、 ジュエリー作りに慣れていて自分なりのスタイルをある程度築いている人は、いつもと違う作り方を選択してみて、 ジュエリーの製作を効率的に進める為のヒントやアイデアを探るのもよいかもしれません。

ジュエリー市場で需要が多いリングの作成に特化した構成になっていますが、 ジュエリー制作のベースとなるテクニック(石座と爪の作り方や、ロウ付けによるパーツの組み立てなど)は、 どんなジュエリーを作る場合でも必要となるので、積極的に吸収しておきましょう。

ジュエリーの作り方を解説した部分で図や写真を効果的に使っているので臨場感があります。 ジュエリーの製作現場が上手く紙面上に再現されていると思います。 自分のジュエリー作りにフィードバック出来そうなところはどんどん取り込んでいくとよいでしょう。 取り扱うテーマを絞り込んでいるので一つ一つの項目が濃く、全体的にもキメ細かいフォローが行き届いているように感じます。

プラチナや金で作ることを前提として書かれていて、ジュエリー作りを趣味とするアマチュアよりも、 ジュエリー製作を生業とするプロフェッショナルを意識したつくりになっています。 内容のポテンシャルが高く、単に知的好奇心を満足させるだけのものにとどまっていないところが魅力ですね。

ジュエリーの作り方を自学自習するのに適した本だと思います。 ジュエリー制作の習熟者が身近に居て、指導もしてもらえるような環境にある人は少ないでしょうから、こういう本の存在は貴重です。 ジュエリーマーケットの伸び悩みと競争の激化で、宝飾業界も他の業種同様に厳しいですから、 ジュエリー作りに携わる人材を育成する余裕がなかなか生まれないんですよね。 ジュエリーの作り方を教えてくれる学校なんかもありますが、立地が大都市圏に限られているので、 地方在住者はどうしてもこういう本などを参考にして独学するという形になってしまいます。

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