コスチュームジュエリー

コスチュームジュエリー(素材を選ばないジュエリー)の色鮮やかな写真を多数収録した本です。 コスチュームジュエリーを収集している人は、カタログとして手元に置いておけば重宝すると思います。 どのコスチュームジュエリーも安価な材料を使っているとは思えないほど作り込まれています。 ブランドや作家、モチーフといった様々な切り口でコスチュームジュエリーを紹介しています。 コスチュームジュエリーに関する用語や歴史についても触れていますが、全体的にはビジュアル中心の内容となっています。

コスチュームジュエリーってファインジュエリー(宝石や貴金属で作るジュエリー。コスチュームジュエリーとは対語的な関係。) のイミテーションでしょ?ぐらいにしか思ってなかったんです、この本を読むまでは。 でも、ファインジュエリーとはまた違ったテイストを持つコスチュームジュエリーのことを色々と知るにつれ、 「コスチュームジュエリーも捨てたモンじゃないなぁ」と思うようになりました。 ジュエリーに対する新たな価値基準を発見したような気がします。 コスチュームジュエリーに対する認識も少し変わったし、なんだか得した気分になりました。

コスチュームジュエリーはファインジュエリーに比べて素材の縛りが緩く、言わば何でもありなジュエリーなので、 作品の多様性という点ではファインジュエリーを凌ぐかもしれませんね。 しかし、奥行きや深みという点ではファインジュエリーの方に軍配が上がるような気がします。 掲載されているコスチュームジュエリーはどれもディティールにこだわって作られているし、 綺麗でカラフルなのは確かなんですけどねぇ…。コスチュームジュエリーの実物を見るとまた印象が変わるのかもしれません。

コスチュームジュエリーを代表するようなブランドは本の前半にまとめられています。 フランスからはシャネルやクリスチャン・ディオール、スキャパレリを紹介。 コスチュームジュエリーの製作が盛んだったアメリカからは、 ミリアム・ハスケルやジョセフ・オブ・ハリウッド、トリファリをピックアップ。 コスチュームジュエリーで有名なこの6者には、創業者のプロフィールやブランドの沿革等を記した履歴が添えられています。

コスチュームジュエリーの文化がアメリカで花開いたのは、第二次大戦が始まった1940年代頃からです。 当時、コスチュームジュエリーを製作していたヨーロッパの技術者やデザイナー達は、戦禍から逃れるためアメリカへと移りました。 彼らが作るコスチュームジュエリーはハリウッド映画やファッション・モード雑誌「ヴォーグ」などで使われて話題となり、需要が増大、 やがて一般にも普及するようになりました。コスチュームジュエリーの最盛期は1940〜1960年代の間で、 アメリカではたくさんのコスチュームジュエリーブランドが誕生しました。 しかし寿命の短いブランドが多く、現在まで営業を続けているところは少ないようです。

コスチュームジュエリーに関する年表を見ると各ブランドの盛衰が一目で分かります。 これを見るとコスチュームジュエリーというのは、 アールヌーボーやデコの少し後あたりから現代ジュエリーが出てくるまでの間に製作されたものを差すようですね。 (ちなみに、ヌーボーやデコ以前の時代に作られたジュエリーを一般的にアンティークジュエリーと言います。) コスチュームジュエリー年表には世界で起こった歴史的な出来事も併記されています。

コスチュームジュエリーを買う時に役立つのが、刻印について解説したページです。 各ブランドが使っているサインの写真が載っているので、コスチュームジュエリーを品定めする際には目安にするとよいでしょう。 また、コスチュームジュエリーとファッションの変遷を年代ごとにまとめた記事には、 その時代に主流だった服装のイラストが添えられています。 こういうイラストが付いているとトレンドの移り変わりをイメージしやすいから良いですね。

他には、コスチュームジュエリーに使われる素材や色に焦点を当てた記事や、 コスチュームジュエリーを好んで身に着けていたジャクリーヌ・ケネディ・オナシスに関する特集、 コスチュームジュエリーを扱うショップのリストなどがあります。

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